Lumix S5ⅡXを売却して、S9だけを残した私


私はこれまで Lumix S5ⅡX と Lumix S9 の両方を使ってきました。
S5ⅡXはLUMIXの中でも動画性能を強く意識した本格派フルサイズ機。黒一色の見た目は重厚感があり、所有欲を満たしてくれる存在です。
一方のS9は、シリーズ最小・最軽量のフルサイズとして登場したスナップも動画も気軽に楽しむことを意識したモデル。
同じフルサイズで、どちらも画質は十分。
しかし、できることは圧倒的にS5ⅡXの方が多いです。
それでも、最終的に私が残したのは S9の方 でした。
なぜ、より性能の良いS5ⅡXを売却してしまったのか?ということについて、この記事では、その理由を紹介していきます。

これからLumixのフルサイズ機を選ぼうとしている人にとって、何かの参考になれば幸いです!
私の撮影スタイル











レンズは28-200mmと50mmf1.8を使っています




まずは、私がカメラに何を求めているかをお伝えしておきたいと思います。
私の撮影スタイルはこんな感じです。そもそもカメラを生業にしているわけでもないいち素人です。
- 街歩きスナップ
日常の風景をサッと切り取りたい。 - 旅行
軽量であることが最優先。移動中もサッとカメラを取り出してシャッターを切りたい。 - 夜スナップ
暗所でもしっかり写るフルサイズの強みを活かしたい。ノイズが少なく、階調がきれいに出るカメラが理想。 - 動画撮影
旅行や街歩きのときに動画も。カットをつないで簡単に編集する程度だが、手ブレ補正や高画質は欲しい。



この他、子どもの運動会や頼まれてポートレートを撮影することも。
動画の撮影については、説明会などの長い動画から複数カットを繋ぎ合わせた動画まで様々です。運動会のようなイベントごとも動画で撮影しています。
写真と同じくらい動画も気軽に撮るので、スチルとムービーの両方をこなせるカメラが必要でした。
元々FUJIFILMのカメラ(X-T4)を持っていましたが、手ブレや暗所性能への不安とフルサイズ使ってみたいという軽い気持ちからLUMIX S5ⅡXに買い換えることにしたのです。
LUMIX S5ⅡXを実際に使ってみて感じたこと


S5ⅡXを初めて手にしたとき、正直そのデザイン性にまずテンションが上がりました。
全身をブラックで統一された無骨なデザインは、安っぽさを感じることは全くなく、質の良い道具を手にしたイメージです。
手に持った瞬間のずっしりとした重量感にも、本格的な機材を手に入れたという高揚感がありました。
良かった点
実際に使ってみると、やはり 動画性能は圧倒的 でした。
真夏の炎天下で数十分〜1時間にわたって動画を回しても、S5ⅡXは安定して撮影を続けられ、熱で止まることは一度もありませんでした。
「フルサイズ+動画に強い冷却性能」という組み合わせは、安心感が段違いです。
4Kや6Kでしっかり記録できる安心感、そしてEVF(電子ビューファインダー)があることで屋外でも構図をしっかり確認できます。
特に強い日差しの中や夜の暗いシーンでファインダーを覗いて撮影できることは、S9にはないメリットでした。
また、グリップの握りやすさも印象的でした。長時間の撮影でも疲れにくく、レンズの重さをしっかり支えてくれる。
完成度は高く、撮影における性能そのものにそこまでの不満はありませんでした。
不満点
しかし、時間が経つにつれて サイズと重量の大きさ が次第に負担になっていきました。
ボディだけで約740g。レンズを付ければ1kgを超えます。
一般的なフルサイズと比べるとそう大きくはないはずですが、街歩きスナップのときに「今日はカメラを持ち出そうかな」と考えるとき、S5ⅡXはどうしても心理的なハードルが高かったのです。
実際、旅行に持っていったときも「せっかくS5ⅡXを持ってきたんだから使わなきゃ」と思いつつ、バッグの中で重くかさばり、取り出す回数が少なくなっていくことがありました。
写真や動画のクオリティは確かに素晴らしい。
でも、それを活かす前に「持ち出さなくなる」というジレンマに陥ったのです。
もうひとつ大きな要因は、自分の撮影スタイルとのミスマッチでした。
私は4K動画を編集して本格的な映像作品を仕上げるタイプではありません。
旅行や日常で動画を撮ることは多いですが、S5ⅡXが誇る「プロフェッショナル向けの動画機能」をフルに使う機会はほとんどなかったのです。
その結果、「オーバースペックを抱えたまま、ただ重いカメラを持ち歩いているだけ」になってしまった。
これは心理的にも大きく、S5ⅡXを手放す決断につながっていきました。
Lumix S9を使ってみて感じたこと


S5ⅡXを手放したあと、私の撮影の中心になったのが Lumix S9 です。
最初に持ったときに感じたのは、とにかく「軽い!」という驚きでした。
フルサイズ機でありながら、ボディ重量は約486g。
S5ⅡXと比べると250g以上も軽く、サイズもひと回り以上コンパクトになっています。
良かった点
一番の魅力は、持ち出す気持ちにさせてくれること。
旅行や街歩きのときにバッグへスッと入れられ、重さをあまり気にせずに済む。
この気軽さのおかげで「今日はカメラを持っていこう」と思える回数が確実に増えました。



グリップあれば便利だけどバッグに入れるのには邪魔…!
画質についても、S9はS5ⅡXと同じフルサイズCMOSセンサーを搭載しているため、写真のクオリティに不満はありません。
特に夜の街スナップでは、高感度耐性の高さやフルサイズならではの階調の豊かさをしっかり実感できます。
「小さくても写りは妥協していない」という安心感は大きいです。
さらに動画性能も必要十分。
4Kでの撮影が可能で、旅行中に動画を回す程度であれば性能面で困ることはほとんどありませんでした。
実際に旅行先で街並みを歩きながら撮った映像も、色味や手ぶれ補正の効き具合に満足できています。
不満点
もちろんS9にも弱点はあります。
まず気になったのは 物理ボタンの少なさ。
ダイヤルが2つしかないため、マニュアル撮影では「絞り」「シャッタースピード」「ISO」のうちどれかは2タッチで操作しなければなりません。
AFエリアの指定も基本的にタッチ操作になるので、素早く設定を変えるには少しもどかしさを感じます。
次にホットシューがないこと。
ストロボを使った撮影はできず、アクセサリーはビデオライトなどに限られます。
夜スナップでフラッシュを使いたい人には大きなマイナスかもしれません。
またグリップがない点も長時間の撮影では手に負担を感じます。
ただしこれは後付けグリップで解決可能で、私はストラップホール付きのアクセサリーを追加することで実用性を高めています。
総合的な印象
弱点はいくつかあるものの、S9はそれ以上に “軽さ”と“気軽さ”が魅力 です。
「大きいから今日は持っていかない」ということがなくなり、結果的にシャッターを切る回数が増えました。
S5ⅡXで感じていた「オーバースペックを持て余している感覚」とは正反対で、S9は「今の自分の生活にちょうどフィットしている」カメラだと実感しています。
なぜS5ⅡXを売却し、S9だけを残したのか
S5ⅡXを手放した理由
S5ⅡXは間違いなく優秀なカメラでした。
動画性能は安定していて、静止画の画質も素晴らしい。
「この一台で何でもこなせる万能機」という印象すらあります。
しかし、私の撮影スタイルとはどうしても噛み合いませんでした。
普段は街歩きや旅行、そして日常のスナップが中心。
そのシーンで一番大事なのは「持ち出す気軽さ」でした。
S5ⅡXは大きくて重い。
バッグに入れると他の荷物を減らさないといけないし、旅行先で長時間持ち歩くと体力的にも負担になります。
しかも私は、プロの映像制作者のように4K/6K動画を長時間回して作品を仕上げるスタイルではありません。
結果的に「活かしきれない性能を抱えた重いカメラ」という存在になってしまったのです。
このギャップを感じ続けた結果、私はS5ⅡXを売却する決断をしました。



1つの作品を完成させるのに長い時間は取れません…
S9を残した理由
一方で、S9は真逆の存在でした。
軽くて小さく、気軽に持ち出せる。
それでいてフルサイズセンサーを搭載し、静止画も動画も十分なクオリティで撮影できる。
確かにS9には弱点もあります。
物理ボタンが少ない、ホットシューがない、グリップがない。
プロ用途や本格的なライティング撮影には向かないでしょう。
それでも、私のスタイルには「軽さ」「シンプルさ」の方が圧倒的に価値がありました。
旅行に持ち出すときの気楽さ、日常スナップで“いつでも撮れる状態”を作れること。
この快適さが、私にとってはS5ⅡXの高機能以上に意味を持ったのです。
結果として、私は S5ⅡXを手放し、S9を“今の自分に最もフィットするカメラ”として残す という選択に至りました。
まとめ:S5ⅡXとS9、それぞれが向いている人
ここまで私自身の体験を交えながら、S5ⅡXを手放してS9を選んだ理由を紹介してきました。
最後に、それぞれのカメラがどんな人に合うのかを整理しておきます。
LUMIX S5ⅡXが合う人
- 4K/6K動画を本格的に撮影・編集する人
- 外部機器やアクセサリーを組み合わせて運用する人
- 長時間の収録や高負荷な動画撮影を安定して行いたい人
- 多少のサイズ・重量よりも「高性能」を優先する人
S5ⅡXはまさに “映像制作のためのツール”。
動画を中心に活動するビデオグラファーや、しっかり三脚を立てて撮影するスタイルには最適です。


LUMIX S9が合う人
- 街歩きや旅行など「気軽に持ち出して撮りたい」人
- スナップ写真や日常の動画を撮ることが多い人
- コンパクトさとフルサイズ画質のバランスを重視する人
- 最低限の機能でシンプルに楽しみたい人
S9は「日常に寄り添うフルサイズ機」と言えます。
軽快さと十分な画質を両立しているため、趣味として写真も動画も楽しみたい方に向いています。


私の結論
私は「がっつり映像制作」というよりは、 街や旅行先でのスナップを大事にしたいタイプ。
だからこそ、S9の軽快さは日々の撮影体験を大きく変えてくれました。
カメラ選びに正解はありません。
大事なのは「どんなスタイルで撮るのか」に合った一台を選ぶこと。
私にとってはそれが S9 だった、というのが結論です。
ですが、自分のスタイルに合うカメラは何か?を探すのには多分結構時間がかかります。
私の体験が、納得できるカメラ選びに役立てば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!