ミニPCを専門で発売しているメーカーGEEKOMからまた新しいミニPCが発売されました。
その名もNUC A8MAXというモデル。
似たような名前にA8やAE8やAX8とある中でA8MAX…
もはやたくさんありすぎて「何がどう変わったの?」というのが本音です。
ですが、ちゃんと違いはあります。
この記事では
- それらのモデルとA8 MAXの違いは何か?
- どんな人に向いているミニPCか?
を解説します!

ちなみにA8MAX以外の3モデルの違いは以下の記事にまとめています!




GEEKOM A8MAXについて
スペック
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 135 × 132 × 46.9 mm |
CPU | AMD Ryzen™ 7 8845HS / Ryzen™ 9 8945HS(TDP 最大 45W) |
グラフィックス | AMD Radeon™ 780M グラフィックス |
メモリ | デュアルチャンネル DDR5-5600 SODIMM(最大 64GB) |
ストレージ | 1 × SSD M.2 PCIe 2280 Gen4×4(最大 2TB) |
I/O ポート | – 5 × USB 3.2 Gen2 Type-A – 1 × USB 2.0 Type-A – 2 × USB4 – 1 × 3.5mm ヘッドセットジャック – 2 × 2.5GbE LAN ポート – 2 × HDMI 2.0 – 1 × DCイン – 1 × SDカードスロット – 1 × ケンジントンロック |
イーサネット | Intel 10/100/1000/2500 Mbps RJ45 |
ワイヤレスLAN | M.2 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
DTPM | DTPM 2.0 サポート |
バッテリー | RTC コインバッテリー |
アダプター | 19V 電源アダプター(120W) |
オペレーティングシステム | Microsoft Windows 11 Pro (64ビット) |
アクセサリー | VESA マウント(オプション) |
GEEKOM A8MAXが向いている人
- 高速なバックアップやデータ同期が必要な人
- ゲームをしながら配信やダウンロードもしたい人(要eGPU)
- 安定したオンライン環境を求める方
- VPNと通常回線をよく切り替える方
GEEKOM NUC A8MAXとA8、AE8、AX8の違いは?
USBポートが増加。
2.5GbE LANポートが2つ搭載されている!
実はこれだけなんです…
ですがこのおかげでできることもあります。
ダウンロード専用ポートでゲームや作業を快適に
ゲームのアップデートや大容量のファイルダウンロードは、ネットワーク帯域を大量に消費し、プレイ中のラグやWebブラウジングの遅延を引き起こす原因になります。
SteamやEpic Gamesでのゲームのインストール、Windowsの自動更新、クラウドストレージの同期などは、裏で気づかないうちに通信を圧迫していることも多いです。
そこで、2つのポートを活用して専用の回線を確保すれば、ゲームや作業に影響を与えずに高速なデータ転送が可能になります。
オンラインゲームをしながら、別のポートを通じてゲームのダウンロードを行えば、ラグの発生を防ぎつつ、効率よくデータを取得できます。
同様に、ゲームをしながら配信をする方にも最適です。
動画配信やリモートワークを行う場合も、専用ポートを確保することで、安定した通信環境を維持しながら、バックグラウンドでの大容量転送をスムーズに進められます。



しかし!A8MAX自体はゲーミングPCではないため、本格的にゲームをしようと思うなら、eGPU(外付けGPU)はあったほうがいいです。
2台のPCを高速接続
PC同士で頻繁にデータをやり取りする場合、USBメモリや外付けHDDを使ってコピーするのは手間がかかり、転送速度も遅くなることがあります。
高画質の動画編集ファイルやゲームのMODデータなど、数十GB単位のファイルを転送する場合、通常のネットワーク経由では速度が伸びないこともしばしば。
ですが、2.5Gbpsのポートが2つあれば、PC同士を直接接続することで、通常のギガビットLAN(1Gbps)の約2.5倍の速度でデータを転送できます。
例えば、動画編集用PCとゲーミングPCを直結すれば、ファイルのやり取りが大幅にスムーズになり、作業効率が向上します。
クラウドを介さずにローカル環境で高速転送を実現できるため、大量のデータを頻繁にやり取りするクリエイターや、複数のPCを活用するゲーマーの方に特におすすめです。



まあこれについてはNASでもいいような気もする…
インターネットをより安定させる(1つをバックアップ回線に)
インターネット回線は、思いがけないトラブルで突然切れることがあります。
光回線のメンテナンスや、ルーターの不具合、プロバイダー側の障害など、原因はさまざまです。
特に、リモートワークやオンライン授業、ライブ配信をしているときにネットが切れると、大きな影響を受けることになります。
このようなリスクを回避するために、2つのポートを活用して、1つをメイン回線、もう1つをバックアップ回線として設定しておきます。
もしメイン回線にトラブルが発生した場合でも、自動的にもう一方の回線へ切り替えられるようにしておけば、通信の途切れを最小限に抑えられます。
とは言っても、ミニPCをインターネットに常時繋げておかなければならない場面はそこまでないような気もします。
2つのネットワークを同時に使う(VPN & 通常回線)
VPNを利用しながらのインターネットの利用は、セキュリティ面では安心ですが、通信速度が低下したり、オンラインゲームのプレイに影響を与えたりすることがあります。
仕事でVPNを利用している場合、通常のインターネットもすべてVPN経由になってしまうと、回線が圧迫されて遅延や速度低下が発生することがあります。
しかし、2つのポートを活用すると、1つをVPN専用、もう1つを通常のインターネット接続専用に分けて使うことができます。
これにより、VPN経由でのセキュアな通信と、通常の高速なインターネット接続を同時に利用できるため、ゲームや動画視聴をVPNの影響なしに快適に楽しめます。
使う場面は限られるかもしれませんが、条件に当てはまる人は意外といそうな気もします。
各パーツの性能解説
GEEKOM A8MAXに搭載されている各パーツの性能を深掘りしてみました。
CPU:AMD Ryzen 7 8845HS /Ryzen 9 8945HS


Ryzen 7 8845HS および Ryzen 9 8945HS は、どちらも 8コア / 16スレッドを備えたモバイル向けプロセッサで、Zen 4 アーキテクチャを採用しています。
Ryzen 7 8845HS は最大 5.1GHz、Ryzen 9 8945HS は最大 5.2GHz のブーストクロックを実現し、TDP は 35W~54W の可変設計となっています。
このクラスのCPUは、一般的な事務作業やWebブラウジングはもちろん、動画編集やプログラミング、3Dモデリングなどの用途にも適しており、統合GPUとして搭載されている Radeon 780M により、軽量なゲームやGPUを活用するアプリケーションでも一定の性能を発揮します。
特に Ryzen 9 8945HS は、より高い動作クロックにより、マルチスレッドを活用する処理や負荷の大きいタスクで優れたパフォーマンスを提供します。
ただし、AAAタイトルのゲームを高設定で快適にプレイしたり、4K動画編集や3Dレンダリングを本格的に行う場合はパワー不足となります。
GPU:AMD Radeon 780M


CPU内蔵グラフィックスとして搭載されている Radeon 780M は、RDNA3 アーキテクチャを採用した高性能な iGPU です。
従来の内蔵GPUと比べて大幅に性能が向上しており、フルHD画質(1920×1080)の軽量なゲーム(League of Legends や Stardew Valley など)であれば快適に動作するレベルです。
内蔵GPUは一般的に外部GPUに比べて性能が低いのは事実ですが、Radeon 780M は、RDNA3 の進化により、フルHD環境での Valorant や Apex Legends などのタイトルにおいて、設定次第では NVIDIA の GTX 1650 や RTX 2050 に匹敵するパフォーマンスを発揮する ことが報告されています。
また、AV1ハードウェアデコードにも対応しており、動画再生やストリーミング用途でも優れた性能を発揮します。
RDNA3 アーキテクチャ
AMDが開発した最新のグラフィックスアーキテクチャで、前世代のRDNA2と比べて電力効率とパフォーマンスがさらに向上しています。チップレット設計を採用した初のGPUアーキテクチャである点 で、従来のモノリシックデザインに比べて、より効率的に高い処理能力を発揮できるようになりました。RDNA3では、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング性能が強化 され、前世代よりもリアルな光の反射や影の表現が可能になりました。AIアクセラレーション機能を新たに搭載し、AMDの超解像技術「FSR(FidelityFX Super Resolution)」のパフォーマンス向上にも寄与しています。
メモリ:DDR5 5600MHz 最大 64GB


DDR5 メモリは、DDR4 に比べて帯域幅が広く、低消費電力で高いパフォーマンスを発揮 します。
Ryzen 7 8845HS / Ryzen 9 8945HS は、DDR5 メモリの帯域幅を最大限活かせる設計となっており、デュアルチャネルでの運用が推奨されます。
メモリ容量としては、16GB~32GB であれば、普段使いから動画編集・プログラミング・ゲームまで幅広い用途で快適に動作 します。
音楽制作や動画制作で多くのレイヤーを使用するなど、高負荷の作業をする場合は 64GB まで増設すると安心です。
ストレージ:NVMe Gen 4 SSD(1TB)


標準で NVMe Gen 4 SSD が搭載されており、理論上では最大 5000MB/s の高速読み書きが可能です。
これにより、OSの起動やアプリのロード時間が大幅に短縮されます。
また、2.5インチ SATA スロットも搭載されているため、大容量のストレージが必要な場合はSATA SSDやHDDを追加することも可能です。
インターフェース:USB4、HDMI 2.0、2.5Gbps LAN
こちらのA8MAXも豊富な I/O ポートも備えています。
平らでポートを設置するスペースが限られているノートPCと差別化されるポイントでもあります。
- 5つのUSB 3.2 Gen2 Type-Aポート
- 2つのUSB4ポート
なかなかここまでのポート数を備えたPCは大きめのデスクトップでも少ないかもしれません。
特に USB4 は、外付け GPU(eGPU)との接続にも対応しているため、拡張性をがほしい方にとっても魅力的 です。


まとめ
A8MAXは、A8、AE8、AX8と比較してUSBポートの増加とデュアル2.5GbE LANポートの搭載が大きな特徴です。
ゲームのダウンロード専用回線を確保したり、2台のPC間で高速データ転送を行ったり、VPNと通常回線を同時に利用するなど、多様な用途に対応できます。
Ryzen 7 8845HS / Ryzen 9 8945HS と Radeon 780M を搭載し、軽量ゲームや動画編集、マルチタスクにも適した性能を持ちます。
本格的なゲーミングには eGPU の導入が必要ですが、高速なネットワーク環境や多様な接続ポートを活かした作業を求める方には、非常に魅力的なミニPCだと言えるでしょう。
気になる方はぜひ以下から見てみてくださいね!