電動昇降デスクというと、スタンディングでの作業や姿勢改善のイメージが先に来る人が多いと思います。
実際に使ってみると、それとは別にもう一つ気になるポイントが出てきます。
高さを上げたときの「揺れ」です。

スタンディングにして作業していたら、キーボードを叩くたびに天板がユラユラして落ち着かないんですよね…。これって不良品なんでしょうか?



いきなり不良品を疑わなくて大丈夫です。電動昇降デスクは構造上、ある程度の揺れは出るものなんですよね。原因と対策を整理してみます。


この記事でわかること
- 電動昇降デスクが揺れやすい理由
- 揺れの原因を切り分ける方法
- 今すぐできる対策
- 買うときに確認しておきたいポイント
なぜ電動昇降デスクは揺れやすいのか
普通の固定式デスクと違って、電動昇降デスクは脚を伸ばして高さを変える構造になっています。
固定式のデスクは地面にがっちり固定されている分そもそも揺れる要素がほとんどありませんが、電動昇降デスクは「高さを変えられる」という利便性と引き換えに、その安定性の一部を差し出している構造だと考えると分かりやすいと思います。
揺れが生まれやすくなる理由は、主に次の2つです。
- 脚が伸びる分だけ支柱が長くなり、てこの原理で揺れが増幅されやすい
- 多くのモデルは脚のパーツ同士がスライドして伸びるパンタグラフ式で、スライド部分にわずかな遊び(隙間)がどうしても必要になる
特に高さを一番上まで上げたスタンディング状態は、一番揺れを感じやすいタイミングです。座って作業しているときはあまり気にならなくても、立って作業に切り替えた瞬間に揺れを意識する、という人も多いのではないでしょうか。
これは特定のメーカーだけの問題ではなく、電動昇降デスクという構造そのものが抱えている宿命に近いところがあります。とはいえ、原因ごとにできる対策はちゃんとあります。
揺れの原因を切り分ける
一口に「揺れる」といっても、原因はいくつか考えられます。
- ネジや接続部の緩み
- 脚のフレーム自体の剛性不足
- 床の水平が取れていない
- 天板が薄く、たわみが出ている
- シングルモーターとデュアルモーターの構造の違い
組み立てて間もないのに揺れる場合は、ネジの締め忘れや締め付け不足が原因であることが多いです。
使い続けているうちに揺れが増してきた場合は、ネジの緩みや床の状態を見直すサインだと考えられます。
また、天板の重さも見逃せないポイントです。
モニターを2台以上乗せていたり、モニターアームで重量物を固定していたりすると、その分揺れも大きくなりやすくなります。
原因を一つに絞り込もうとせず、複数の要因が重なっている前提で見ていくのがコツです。



「ネジが緩んでいるだけだろう」と一つの原因に決めつけたくなりますが、床の水平まで含めて一つずつ確認するのが、結局は一番の近道だと思います。
揺れをチェックする簡単な方法
対策を試す前に、まずは今どれくらい揺れているのかを把握しておくと、効果を比較しやすくなります。
- デスクを一番高い位置まで上げる
- 天板の端を軽くコンコンと叩いてみる
- 揺れが収まるまでの時間や、揺れ幅を目で確認する
対策を一つ試すごとにこのチェックを繰り返すと、どの対策が効いているのかが分かりやすくなります。
スマホの動画で揺れる様子を撮っておくと、後から比較しやすいのでおすすめです。
数値化するほど大げさなことをしなくても、目視の比較だけで十分傾向はつかめます。
今すぐできる対策
すべてのネジを締め直す
まず試してほしいのが、脚部と天板をつないでいるネジをすべて締め直すことです。
組み立て時にはしっかり締めたつもりでも、使っているうちに少しずつ緩んでくることがあります。
これだけで揺れがかなり収まるケースも多いです。
特に天板と脚フレームをつなぐボルト、脚の底面パーツなど、目につきにくい部分ほど緩みやすい印象があります。
説明書に記載されている締め付けトルクがあれば、それに沿って締め直すとより確実です。
脚のアジャスターで水平を調整する
床がわずかに傾いているだけでも、デスクはガタつきます。
脚のアジャスター(高さ調整ネジ)がついているモデルなら、水平器などを使って一つずつ微調整してみてください。
アジャスターが付いていない脚には、後付けできる調整脚も市販されています。
厚めの紙や薄いゴム板を挟んで簡易的に高さを合わせる方法もありますが、ずれやすいのが難点です。
長く使うことを考えるなら、ネジ式のアジャスターに交換しておくほうが安心だと思います。
壁際に設置する
デスクの奥や側面を壁にぴったり寄せるだけでも、揺れはかなり軽減されます。
壁が物理的なストッパーの役割を果たしてくれるためです。
部屋のレイアウトが許すなら、一番手軽で効果の大きい対策だと思います。
高さを上げすぎない
脚を最大まで伸ばすほど揺れは大きくなります。
自分の身長に対して必要な高さより少し低めに設定するだけでも、体感の揺れは変わってきます。
床に敷いているマットを見直す
意外と見落とされがちなのが、床に敷いているデスクマットやラグの存在です。
厚みのあるマットの上に脚を乗せていると、それだけで安定性が落ちて揺れやすくなることがあります。
薄く硬めのマットに替える、あるいは脚の下だけマットを避けるといった工夫も効果的です。
キャスターの有無を見直す
移動をラクにするためにキャスターを取り付けている人もいると思います。
ただ、キャスターは固定脚に比べてどうしても遊びが生まれやすく、揺れの原因になりやすいパーツでもあります。
頻繁に移動させる必要がないなら、ロック機能付きのキャスターを使う、あるいは固定脚に戻すというのも選択肢の一つです。
ちょっとした変更ですが、体感の違いは意外と大きいです。



いろいろ試したけど、それでも多少は揺れます…。これはもう諦めるしかないんでしょうか?



完全にゼロにするのは、正直かなり難しいと思います。構造上ある程度の揺れは残るものと考えて、許容できる範囲まで抑える、くらいの気持ちで向き合うのがいいと思います。
揺れを放置するとどうなるか
多少の揺れなら気にしないという人もいると思います。
ただ、揺れを放置していると、いくつか困ったことが起きやすくなります。
- モニターの映像が揺れて、目が疲れやすくなる
- タイピングやマウス操作の精度が落ちる
- 飲み物をこぼしやすくなる
- ネジの緩みがさらに進行し、揺れが悪化する
特にネジの緩みは、放置すればするほど進行しやすくなります。
気になり始めたタイミングで早めに対処しておくのが、結果的に一番手間が少なく済むと思います。



「そのうち直そう」と後回しにしがちなところですが、揺れは放っておいて自然に良くなることはほぼありません。気づいたタイミングが一番の対処のチャンスです。
買うときに確認しておきたいポイント
これから購入する場合は、次の点をチェックしておくと、揺れの少ないモデルに出会いやすくなります。
- デュアルモーター(脚が2本とも独立して動くタイプ)かどうか
- 脚のフレームがスチールなど剛性の高い素材か
- 脚と脚の間に補強バーが入っているか
- 天板の厚みが十分か(薄いとたわみが出やすい)
特にデュアルモーターかどうかは、価格差にも直結するポイントなので、購入前によく確認しておくことをおすすめします。
また、口コミやレビューを見るときは、「安定性」「揺れ」といったキーワードで実際の使用者の声を探してみるのも有効です。
スペック表だけでは分からない体感の部分まで、ある程度事前に把握できます。
脚の横幅(左右の脚の間隔)が広いモデルほど、構造的に安定しやすい傾向もあります。
設置スペースと相談しながら、無理のない範囲でなるべく幅の広いモデルを選ぶのも一つの手です。
ショールームや家電量販店で実物を見られる場合は、実際に高さを上げてもらい、天板を軽く揺らしてみるのが一番確実な確認方法です。
通販だけで判断するより、体感の差がはっきり分かります。
具体的なモデルの例として、FlexiSpotのE7 Clickはデュアル静音モーターを搭載していて、耐荷重も110kgとかなり余裕があります。
安定性を重視して電動昇降デスクを選ぶなら、候補に入れやすいモデルだと思います。



買い替えとなると出費は大きいですが、毎日使うものだからこそ、揺れの少なさは長い目で見ると満足度に直結する部分だと思います。
選び方についてはこちらの記事でも触れているので、あわせて参考にしてみてください。


揺れがひどくなって「壊れたのでは」と不安になった場合は、こちらの記事も参考になると思います。


実際に使っているCOFO DESK PREMIUMでの体感
私が使っているCOFO DESK PREMIUMは、スチール製の脚フレームで、スタンディング時の安定感には満足しています。
ただ、正直にお伝えすると、いくらかの横揺れは感じます。
これは構造上、完全になくすのは難しいところなのだと思います。
COFO DESK PREMIUMはスチール製の脚フレームで、天板の厚みも約30mmとしっかりしているモデルです。
それでも構造上、ある程度の横揺れは出るというのが実感です。
逆に言えば、しっかりした作りのモデルでもゼロにはならない、という前提で選び方や対策を考えたほうが、期待値のズレが少なくて済むと思います。
詳しいレビューは別記事にまとめているので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。


よくある質問
揺れがひどいのは初期不良ですか?
一概には言えません。
まずはネジの締め直しと床の水平確認を試してみて、それでも極端に揺れる場合はメーカーに相談してみることをおすすめします。
購入直後で明らかに他のレビューより揺れがひどいと感じる場合は、無理に自分で直そうとせず、早めにサポート窓口に問い合わせるのが安心です。
デュアルモーターなら絶対に揺れませんか?
揺れにくくはなりますが、絶対にゼロになるわけではありません。
シングルモーターに比べると、左右のバランスが取りやすい分、揺れが軽減される傾向にある、というくらいに捉えておくといいと思います。
モニターアームをつけると揺れは悪化しますか?
天板の端に重量物を固定する分、揺れを感じやすくなることはあります。
気になる場合は、なるべく天板の中央寄りに設置する、天板の厚いモデルを選ぶ、といった工夫が効果的です。
クランプ式ではなく、天板に穴を開けて固定するグロメット式のモニターアームのほうが、揺れに強い傾向もあります。


後から補強することはできますか?
脚と脚をつなぐ補強バーを後付けできる製品もあります。
ただしモデルによって対応可否が異なるので、購入前にメーカーへ確認しておくのが確実です。
汎用の補強バーやブレースを自分で取り付けている人もいますが、フレームの構造によっては取り付けが難しい場合もあるので、無理はしないようにしてください。
古くなった電動昇降デスクほど揺れやすくなりますか?
使用年数が経つほど、ネジの緩みや部品の摩耗が進みやすくなるのは事実です。
定期的にネジを点検・締め直すだけでも、経年による揺れの悪化はかなり抑えられます。
半年に一度くらいのペースで、簡単な点検をルーティンにしてしまうのがおすすめです。
安いモデルほど揺れやすいですか?
一般的には、価格の安いモデルほど脚のフレームが華奢だったり、シングルモーターだったりする傾向はあります。
ただし、価格だけで一概に判断できるものでもないので、実際のレビューや口コミもあわせて確認することをおすすめします。
安いモデルでも、脚の間隔を広く取っているなど、設計の工夫で揺れを抑えているものもあります。
紹介したグッズのおさらい
まとめ
電動昇降デスクの揺れは、構造上ある程度は仕方のない部分です。
不良品と決めつける前に、原因を一つずつ確認してみてください。
ちょっとした手間で、日々の印象は大きく変わってきます。
ただ、ネジの締め直しや設置場所の見直しなど、できる対策は意外とたくさんあります。
気になっている方は、まず今すぐできる対策から一つずつ試してみてください。
思っていたより簡単に改善することも多いですよ。
ネジの締め直し、床の水平調整、壁際への設置。この3つは特別な道具もほとんど要らないので、真っ先に試す価値があります。
それでも気になる場合は、購入時のチェックポイントを踏まえて、次のデスク選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。
快適なスタンディングワークを続けるためにも、ちょっとした手間を惜しまずにケアしてあげてください。
揺れを気にせず作業に集中できる環境が整えば、電動昇降デスクの良さをもっと実感できるはずです。



揺れをゼロにするのは難しくても、許容できるレベルまで抑えることは十分できます。焦らず一つずつ試してみてください。










